【俺様番外編】役者達の日常

荒い手つきで教科書を持った柊太君は、ドアの前で立ち止まってこっちを見た。



「先生、有り得ない程好き。」

「…ごめっ…ん…。」

「だからマジ心臓痛い。じゃあね。」



柊太君に見られちゃったかな…。



あたしの涙…。



あんな告白ズルイ…。



これ以上好きにさせないでよ…。



あたしは誰もいない音楽室で泣くだけ泣いた。



柊太君の手形通りにへこんでしまった黒板にそっと触れる。



あたしより大きい手なんだ。



背も高いし、声だって低い。



その辺の人と変わらないのに…。



どうして君は高校生なの?



どうしてあたしは教師なのー…。



「三村先生!?どうかしましたか!?」

「えっ!?あぁ…。ちょっと仕事が辛くて…。」



同じ音楽のキモイオジサン教師にはサラッとウソをついた。



あたしも好き…。



柊太君が好きだよぉ…。