そこでかかってきた電話。



新人の営業の奴からのヘルプの電話だった。



俺が教えた奴だから、アイツがヘマすれば俺にまで被害が及ぶ。



ハゲ部長に怒られるのはまっぴらだ。



「今から行くから田崎専務引き止めとけ!!」

「でも…。かなり怒ってらっしゃて…。」

「俺に何教わってきたんだよ!!マジでふざけんな!!」

「だったら鳴さんがやってくださいよ!!俺は無理って言ったじゃないですか!!」

「は?なにキレてんの?お前のミスだろーが!!」



俺が怒ると新人は電話を切った。



マジで有り得ねぇ…。



カフェを出て取引先に向かおうとした。



「ちょっといい?」

「はい?なにか?俺今急いでるんですよ。」

「仕事楽しい?」

「なんなの?」



初対面で何を言う…。



しかも見るからに年下。



でも…。



こいつ確か…。



「蓮!?」

「そう。ねぇ、経営に興味ない?」

「経営?」

「興味あるなら時間ある時この携帯に電話してくれない?」



そして渡された携帯の番号から俺の人生は変わっていく。