土「おっ左之。ちょうど良いところに」


通りかかった原田に声をかけた。



原「こんなトコでなにしてんだ?」



土「左之、ちょっくら坂口を持ち上げてみてくれねぇか?」



原「え?まぁいいケドよ」



原田はヒョイっと薫を持ち上げた。



土「軽いだろ?」



原「相変わらず軽いが、こいつを屯所〈ここ〉に連れてきた時よりも軽いな」



原田は薫をおろした。



土「お前、きちんと飯喰ってるか?」



薫「食べてますよね、左之さん」



原「おいおい、何で俺に聞くんだよ」




土「で、きちんと喰ってんのか?」




腕組みをして元々寄っている眉間のシワがさらに寄った。



それに薫の目を他にそらさせないように、土方の目はきちんととらえている。




薫「………スイマセン。タベテマセン」



土方の目力に圧倒されたのか、薫の言葉が少し震えているように聞こえる。



土「ったく、なんで喰ってないんだ?自分が作る飯だろ?」





薫「……いや〜。なんとなくですかね。ハハ」





当たり前だが、土方は(少し呆れたような)ため息をついた。