__夕方__


屯所の門の所で平助が白い子猫を抱えていた。



薫「なぁ、どうしたんだその子猫?」




平「あ、薫おかえり。この猫が屯所の中に入って来るのが見えてさ」



二人と一匹は中へ入って行った。



すると縁側に座って、団子を食べている沖田がいた。



沖「薫君やっと帰ってきたぁ 待ちくたびれたから先に食べちゃってるよ」



沖田は団子を食べていた。
そしてお皿の上には、食べ終わっている串が一本、食べていないのが一本。





薫「沖田さん、自分に何か用でm______」




平「あーーっ!」



平助が抱えていた子猫は、腕の中から飛び出し皿の上の団子を一本くわえていた。



沖「君、それ返してくれない?僕の楽しみを取るなんて、いい度胸じゃん」




返してくれ?猫がくわえた団子を取り返してたべるのか…………?




沖「いくら猫でも……斬るよ?

…あ、待て!」




子猫は団子をくわえたまま逃げ出した。


もちろん沖田もそれを追いかける。



屯所内はドタバタと沖田のせいで騒がしかった。




薫「猫に対しても本気だ………」



平「団子に対する恨みはこわいな……」




引き気味の薫と平助。



しかし二人は同じことを思っていた。





薫.平『がんばって逃げ切れ!』