「196」と書かれたドアを閉め、外に出た。

息を吐けば、白い息が俺の前に広がり、すぐに消えた。



マフラーをしていて、正解だった。


今は12月で、昼でも寒い。

だから今は、とてつもなく寒かった。


歩くたびに、チャリ、チャリ、とポケットに入った、お金の音がする。


俺の家から、2,3分歩けばコンビニがある。


いつも人通りが少なくて、夜だとなおさら。

今は俺一人しかいない。

コンビニは妙に明るかった。


ウィーン

という音がして、自動ドアが開く。

「いらっしゃいませ。」

店の中には店員が2人いた。