アンティークの家具が置かれ、重厚な絨毯が敷かれた家は本当にホテルのよう。


一通り見て回り、最後に入った誰でも出入り自由の書斎で、私は古いアルバムを見付けた。

「ご覧になりますか?」という言葉に頷くと、執事さんは微笑んでそれを開く。



「わ……可愛い!」

「えぇ、本当に。
お二人は昔から何をするにも一緒でした。一見不仲に見えますが、本当はお互いが一番の理解者であるのですよ」

「そうなんですね……」



写真に写る小さな二人は仲良く並んで瓜二つの満面の笑みを浮かべている。

それを見ると思わず私の顔も綻んでしまった。


そして、アルバムの中で成長していく蘭さんを見ていると、不思議な気持ちが沸き起こる。

蘭さんのこと、もっと知りたい──と。