「きゃぁ!ら、蘭さんっ!?」



一人勝手に妄想を膨らませている間に、ひょいとお姫様抱っこされた私はベッドに運ばれる。


仰向けになる私の横に手を付き見下ろす蘭さんに、頭の中はパニック寸前。

せっかく解れた身体をまたカチコチに硬直させていると、彼はクスッと笑う。



「僕も君を独り占めしたいけど、急がないから安心して。今日はもう寝よう」



おでこにチュッと優しい口づけを落とすと、彼は私から身体を離した。


蘭さん……


こんなのは勝手だけれど、ほっとすると同時に寂しくもなる。

ちょっと今は焦ってしまっただけで……やっぱり触れ合いたいとは思うから。



「あの、蘭さん……一緒に寝てくれませんか?」



振り返った蘭さんは迷うように視線を泳がせ、前髪に手を潜らせて苦笑する。