「でも、これだけ言われても逃げないお前は、バカだけど意気地無しじゃなさそうだな」
「え?」
「すぐに逃げ出すような奴が兄の婚約者だと俺が恥ずかしいんだよ。そんなにあいつに惚れてんなら頑張ってみれば?諦める必要もねぇし」
それってもしかして……蓮さんなりに私を励まそうとしてくれてる?
バカってのは余計だけど……。
でも、彼の不器用な優しさに少しだけ気分が上向きになった気がした。
「何ニヤついてんだ、気持ち悪い」
「い、いえ、なんでも……」
「さっさとあいつんとこ戻れば?せいぜい仲良しごっこでもやってくれ」
そう吐き捨てると、蓮さんは踵を返して広間へ戻っていく。
やっぱり意地悪……
でも涙が止まったから、そのことには感謝しよう。
後ろ姿すらも美しい彼を恨めしげに眺めつつ、私も広間へと歩き出した。
「え?」
「すぐに逃げ出すような奴が兄の婚約者だと俺が恥ずかしいんだよ。そんなにあいつに惚れてんなら頑張ってみれば?諦める必要もねぇし」
それってもしかして……蓮さんなりに私を励まそうとしてくれてる?
バカってのは余計だけど……。
でも、彼の不器用な優しさに少しだけ気分が上向きになった気がした。
「何ニヤついてんだ、気持ち悪い」
「い、いえ、なんでも……」
「さっさとあいつんとこ戻れば?せいぜい仲良しごっこでもやってくれ」
そう吐き捨てると、蓮さんは踵を返して広間へ戻っていく。
やっぱり意地悪……
でも涙が止まったから、そのことには感謝しよう。
後ろ姿すらも美しい彼を恨めしげに眺めつつ、私も広間へと歩き出した。



