翌日、私は用意された淡いラベンダー色のパーティードレスに身を包み、蘭さんの隣で笑顔を作っていた。


立食形式でたくさん並べられた美味しそうな料理を目で追ってしまうけれど、それらを食べる余裕なんてない。

だって代わる代わるお偉い様方と挨拶をしなきゃいけないんだもの……!



「ごめんねカンナちゃん、疲れるだろ。もう少しでだいたい終わるから」

「私なら大丈夫ですよ」



申し訳なさそうに言う蘭さんに、私はにっこり微笑んでみせる。


本当はちょっと疲れてるし、お腹も空いたけど。

きっと結婚したらもっと大変なことがあるはずだもの、これくらいのことで弱音を吐いてちゃいけない。

……でも。



「……あの、お手洗いに行ってきてもいいですか?」



この生理現象ばかりは我慢出来ない!