「……あと一問…っ」
英作文ばっかり作らせるこのワークも宿題のページがあと一問で終わるところまでいった。
図書館の窓からオレンジ色の夕陽が差し込んでいる。
そんな光に照らされた…あたしの机の周りが汚い。
電子辞書やら、参考になりそうな教科書類が重なり合ってゴチャゴチャ。
…まぁいいや、片付けは後から!
今は問題に集中しなくちゃ。
「あお」
「へっ…?」
急に横から名前を呼ばれて、そっちを向くと、
そこに立っていたのは怒っているはずの朝陽さんだった。
「なんで…あたしの名前…」
「突っ込むとこソコ? 俺的にはこっちに注目して欲しいんですけど」
あたしのフデバコの横に、コトンと置かれた紅茶。
「ごめん。お前の好み知らなくて、これにしたんだけど。飲めねぇなら俺が飲む」
これ…自販機で買ってきてくれたのかな?


