席取ってやったり!…な顔で朝陽さんのいる所へ戻ると
手に持っていた本で頭を叩かれた。
「…?!」
「ドタバタ走んなって言ってんだろーが。他の人に迷惑」
「………ごめんなさい…」
あぁ、またやっちゃった。
これで注意されるの何回目…?あたし。
つい席を確保するのに必死になって、走っちゃう。
図書館は公共施設…、わかってるつもりだけど…。
「朝陽さん…怒ってる…?」
低い位置の棚に本をしまっていて、しゃがんでいる朝陽さんの顔色を伺う。
「別に。ていうかコドモは早く勉強しな」
突き放されたような言い方をされて、やっぱり朝陽さんは怒ってる雰囲気だった。


