意地悪なキミに、スキをあげる。




『案内してもらってたから、ケータイも出れなくて。ごめんな』



と、柄にもなくアヤに優しい言葉をかけられて、少しドキッとした。



「ううん。そういうことなら仕方ないよね。あたしなら大丈夫だからっ」



にっ、と笑ってみせると、




「泣いてたくせに」



と、後ろからからかっているような声が聞こえた。



なっ!!!

ちょっと、朝陽さんっ!!!!



「…あお、この人は…」



…っ!



うわあっ、そうだ!


祐希奈とアヤは、まだ朝陽さんに会ったことがないんだった!




「えと、図書館の…朝陽さん…デス」




それだけ言うと、祐希奈の顔がにぱぁっと明るくなった。