あたしは朝陽さんに、そう言いたかったんです。
だけど、言葉が思うように出てこなくて…。
「じゃあな」
それだけを残して、朝陽さんは本当に帰って行った。
静まり返ったあたしたち。
口を開いたのは、委員長だった。
「えーと。つまり、あおと先生は最初から付き合ってたってわけだよね?」
「ハイ………」
「教育実習は禁断の恋だったと?」
「ハイ………」
ハイ、としか答えられない…。
みんなの顔を見るのが怖い…。
祐希奈は今どんな顔してる…?
祐希奈は朝陽さんのことも全部知ってるのに、祐希奈の顔を見るのも怖かった。
なんでかわからない。
この沈黙が、痛くて怖い。


