意地悪なキミに、スキをあげる。




「早く飲まねぇとぬるくなってマズくなるぞ」


「…ぅ…」



でもっ、でも心の準備が…っ。



朝陽さんはあたしと間接キス……のこと、わかって言ってるのかな…?



それともあたしなんて眼中にないから、そんなことどうでもいいのかな…。




「いただきます…」



モヤモヤしながら、缶に口をつけようとしたら…。



「あーーっ!!!あお!いた!!!」



?!



このデカくてあたしの名前を呼ぶ声…っ!!



廊下の角から出てきたのは、

心理学部のパンフレットを2、3冊腕に抱えていた、祐希奈とアヤ。



再開した親子のように、祐希奈とアヤの元へ駆け寄った。



「もー、どこにいたの?後ろ振り返ったら、あおいないんだもん!」


「探しに行こうと思ったら、学生さんたちに案内しましょうかって言われてさー、探しに行けなかったんだよ」



と、アヤまで少し心配そうな顔をしていた。