意地悪なキミに、スキをあげる。





「…止まりました…」




まさか迷子のあたしを、一番最初に見つけてくれたのが


朝陽さんなんて。




ホッとして泣いちゃったけど、よく考えたら、


オープンキャンパスに参加してるとは限らないし、会えたらすごいことだと思ってたのに…。




まさか、迷子のあたしを見つけるなんて。



朝陽さん…ヒーローみたい。



「ん」


「え?」



朝陽さんの手にあって、あたしに突き返された紅茶。



だってそれ……今朝陽さんが…っ。




「…えっ…と…」


「飲むの?飲まねぇの?」


「のっ、飲みますよ!!」



小刻みに震え出した手で、紅茶を受け取る。



缶の口から出てる湯気が鼻をかすめた。



…どうしよう。



朝陽さんと…間接キス……っ。