意地悪なキミに、スキをあげる。





迷子になったのなんて初めてだから、どうしたらいいのかわからない。



受付に戻って、友達とはぐれました、なんて恥ずかしすぎるし…。




不安で…



「…あお?」



ふっと名前を呼ばれて、あたしは勢いよく振り返った。



だって……朝陽さんの…っ。



「何でここにいんのお前」



朝陽さんの声…っ。




「…オープンキャンパス…でっ…、」



はぁ…っ。



やばい、知ってる人が目の前にいて

しかもそれが好きな人で



そう思ったら……不安から一気に解放されて…。



「ちょっ、何で泣くんだよ?!」


「…っ、泣いてない…」



泣いてない…っ。


泣いてたとしてもすぐ止まるっ。



すぐ止めるから…待って…っ。