へっ? あたしの涙を拭ってくれる人がいる。 「美紅、起きた?」 「けんし.......」 あたしは剣士の顔を見れないでいる。 剣士、不倫してないよね..... 寂しさから、不安へと募り、更には疑いへと広がる。 これは典型的な束縛女だと思う。 そうはなりたくない。 「美紅、こっち向け」 「.......やだ...」 「は?」 命令に反論するのは初めてだから、驚いてるんだろう。 だって、今向いたらキスされる。 とっさに、抵抗していた。