ふたりだけの甘いヒミツ




その場にたたずんでいたら、市原さんに怪訝そうな顔を向けられてしまった。




『……まあ、気の済むまで』


『あたしはもう行きますね』



素早く仕事を終えたらしい市原さんは、すでに両手に大荷物を抱えていた。


それから身体をクルッと方向転換させて、体育館の奥のバド部のところへいってしまった。




───これが、市原さんと初めて話した日の出来事。



……まあ、市原さんは覚えてないだろうけど。




それから、俺の勝手な臆測。


臆測だけど、たぶん正しい。



……あの氷を入れる仕事は先輩にやらされていた、ってこと。