「……なに?」 「な、なんでもないよ!……栞!日向くんに任せよ!ね?」 慌てたように首をぶんぶん振ったあと、野々宮に向いてそう言った水沢さん。 よくわかんねぇけど……気にすることねぇよな。 「……じゃあ」 市原さんの肩と膝裏に腕を回して持ち上げた。 ……うわ、軽すぎ。 「……頼んだからな」 「はいはい」 「テキトーな返事をするな!」 やかましい野々宮の声を背中に受けながら、俺は校舎を目指した。 ……授業中で助かった。 誰にも騒がれることなく、保健室まで来れた。