なにより、キスしたことさえ覚えてない無自覚なキス魔。 その上、天然タラシで無自覚にあたしを誘惑する。 いつの間に、こんなに好きになってたのかな。 誘惑されちゃったんだ。 ……甘いキスに。 ふわっと柔らかい笑顔に。 優しい性格に。 日向くんのすべてを好きになっちゃったんだから。 「……晴」 ふと名前を呼ばれて、戸惑いながらもそちらを向く。 すると、降ってきたのはこの空間にふたりだけの、秘密のキス。 それは、酔ってしまいそうなくらい甘ったるい。