ふたりだけの甘いヒミツ




「おはよ、市原さん」



……逃げる気は、なかったけど。


ふわっと優しく笑う日向くんは、いつまで経っても慣れない。




「おはよう。……ってか、起きてたの!?」


「ああ、ドアが開く音で起きた」



そこから!?

ってことは、狸寝入りしてたのか!


なんで狸寝入りなんて……。

ま、元気そうで安心したけどさ。


……あれ?

あたし、大事なこと忘れてるような気がする。




「う、うわああ!き、キス……」


「え、今さら?」



キョトンと首を傾げる日向くん。


うわあ、そのしぐさ可愛い。

なんて思ってる場合じゃないけど!