「戻ってこなくてもいいんだよー!先生には上手くいっておくから!」
どこか弾んだまいまいの声を背中に受けながら、あたしは走った。
――コンコン。
保健室のドアをノックすると沈黙が返ってきた。
あれ?
保健の先生もいないの?
……ハッ!
もしかして始業式に行ったのかな!?
「し、失礼しまーす……」
きっと日向くんは寝てるはずだから、なるべく静かにドアを開けて中へ入る。
その空間は静かすぎて、ドアの閉まる音も響いた。
「……あ!」
ひとつだけカーテンが閉まってるベット。
そこへ急いで駆け寄り、カーテンをそろりとめくる。



