「はー……舞花には適わねーよ」 「それって、あたしを好きになる可能性があるってこと!?」 ふたりの会話をなんとなく聞きながら、あたしは思い出していた。 夏祭り、鳴海と来てるって言ってたもんね。 それに、好きな人がいるって言ってたし……。 まさか、その好きな人が鳴海だと思わなかったけど。 「……そうかもな」 鳴海がそう言った途端、カアッと顔を赤くするまいまい。 わあ! まいまいが顔赤くするなんて、かなりレアだよ! あたしは無意識に願っていた。 ふたりが幸せになるといいな、って。