ふたりだけの甘いヒミツ




そう言って鋭く俺をにらんだ鳴海は「先に行ってるから」と、市原さんに声をかけて、フロアへ歩いていく。


あいつ……もう市原さんに告ったのかな。


気持ちにケリがつかないと、俺らをふたりきりになんて、出来ないはずだから……。



市原さんはラケットを拾うと、俺に背中を向けてしまった。


……え、なんで?


俺はとっさに市原さんの腕を掴んで、フロアから死角になるところへ連れていった。




「ごめんなさい、日向くん……」



ポツリと消え入りそうな声で、市原さんは謝罪の言葉を口にした。


なんで、謝ったりなんか……。