「あたしバスケ部の1年で、相川莉子って言います!」
「……あ」
どこか聞き覚えのある、その言葉に、俺は少し前の記憶を辿った。
確か、市原さんが教室で倒れて家へ帰った日……。
げた箱のところで話しかけられたんだ。
そのときは結局、なにを言いたかったのか、わかんなかったんだよな。
「この前は、言えなかったんですけど……」
相川がなにか言ってる途中、一言も言葉を発さない市原さんが気になって、見てみる。
市原さんは、すごく不安そうな顔で、キュッと唇を結んでいる。
まさか、変な勘違いしてないよな?
なんかすげー抱き締めたい。



