あたしから離れて、愛おしそうな瞳を向ける。




「へへ……頑張ってよかったあ」



つい、嬉しくて頬が緩む。


少しでも日向くんの目によく映ればいいな、って……。


そう思ってたから。




「……っ、とりあえず、学校の方まで行こっか?」



ちょっと顔を赤くした日向くんは、すっと手を差し出した。


もしかして……手、繋いでもいいのかな?




「うん、そうだね!」



手のひらを重ねると、日向くんは嬉しそうな笑顔を見せてくれる。


その笑顔に、あたしの顔もほころぶ。



それから、ふたり並んでお祭りの会場へと向かった。