その場にフラッと倒れそうになったあたしを、日向くんが抱きとめてくれた。
日向くんの焦った声、初めて聞いた気がするな……。
「ありがとう、日向くん。すごく嬉しかった……」
助けるためとはいえ“大事な子”って言ってくれて……。
あたしが日向くんの彼女になれたような、そんな錯覚に陥った。
「遅くなって悪かった。連絡したんだけど……市原さんをひとりにするべきじゃなかったな」
日向くんはあたしから離れると、まるで子供をあやすように、頭をポンポンと撫でた。
日向くんの優しい視線に、また、泣きそうになってしまう。



