「なんでもねぇ」
「ふーん……って、はあっ!?」
スマホをいじっていた大輝が、奇声を発した。
あー……知ったのか。
野々宮とふたりっきりで行けないこと。
つーか、俺もイヤなんだけど。
まさか、4人で行くことになるとは思わなかった……。
「な、なんで4人!?翼となんか行きたくねーよ!」
「どういう意味だよ、それ」
俺だって大輝と行きたくねーよ。
なんて思いながら、エナメルを肩にかける。
「……早く行くぞ。6時に駅だろ?」
「は?このカッコで!?」
大輝が驚いたように練習着とバスパンをつまむ。
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