ふたりだけの甘いヒミツ




「………」



いや、やっぱり聞くのは止めた。


考えたくもねーからな。




「ありがとな。言ってもらえて、よかった」


「おう。夏祭り、ヘマすんなよ」



夏祭りまで、あと数日。


市原さんとふたりきりで行けると決まっていないのに、そわそわしていた。



◇◆◇



「なんで今日にかぎって、午後練なんだよ……」



夏祭り当日。


ガックリとうなだれる大輝に、俺はめずらしく同意した。




「午後練っつーか……練習、休みでよかったのに」


「ははっ、翼の方が相当だな!」



ケラケラと笑う大輝を横目に、ストレッチを始める。