ふたりだけの甘いヒミツ




……それだけ、必死なんだ。




「そっか、だったら一緒に帰ろー!」



そう言って笑ってくれた市原さんに安心した。


それと同時にすげー嬉しい気持ちになった。




「えっ、晴、日向と帰んの!?」


「うん。しおりんも一緒に帰ろうよ!」



市原さんのその提案に、思わず顔をしかめてしまった。



……ふたりきりじゃないと、嫌。


そんな思いが俺を支配していた。




「晴とふたりがいいけど……まあいいや。よし帰」


「バカ宮」



大輝は、市原さんの隣に並ぼうとした野々宮の言葉を遮り、それと同時にリュックを引っ張った。