ふたりだけの甘いヒミツ




「もちろん翼もいいだろ?つーか先生としていてもらわないと困るからな」



うるさい心臓をなんとか静めていたら、大輝にそう聞かれた。


聞かれたっつーより、もう強制的に参加させるみてーな言い方。



……まあ、市原さんがいるなら、喜んで参加するけど。


そんなことを口にするわけにもいかず、黙ってうなづいた。




「やべっ、バスの時間!」


「うわあっ、あたしもだ!!」



突然、そう言って慌ただしくイスから立ち上がったのは鳴海と水沢さん。


鳴海になんか、教科書やノートを逆さまに突っ込んでいる。


水沢さんはすでに準備を終えて、カバンを素早く肩にかけた。