どうしたんだ?


って疑問と同時に、ほわんとした温かい気持ちになった。



好きだと自覚すると、市原さんが可愛く見えて仕方ない。


……もともと可愛いけど。




「翼、勉強してねーだろ」


「……ちょっとした、けど」


「ちょっとかよ!まあ、翼頭いいからなー……ったく、うらやましい」



大輝はわざとらしくため息をつくと、本を開いた。


……思いっきり息抜きしてるし。




「……そういえば、翼、市原さんに数学教えなくていいのか?」



本から顔を上げて、なぜかニヤリと笑った大輝。


数学……そういえば昼寝する前に聞かれたような。