【翼Side】



「いってぇ……」



安らかに眠っていたはずなのに、頭に強い痛みを感じて目を覚ましてしまった。


あー……最悪の目覚め。




「やっと起きたか」



目の前に座る大輝が本を片手に、呆れたように笑った。


頭の痛みはこいつが原因か……。



ふと、隣に立ち尽くす市原さんを見上げた。


気のせいか、頬が赤いような。




「……市原さん?」


「お、おはようっ!よく寝てたね!」


「ああ……うん」



市原さんの態度がぎこちない。


今だって、まるで、ロボットみたいにカチカチになりながらイスに座っている。