【晴Side】



「ひゃあああ~~~っ……」



あたしは小さな声で奇声を発しながら、廊下を走っていた。


テスト週間に入ったから、どこも人影がない。


だから、あたしに変な目を向ける人もいなくて一安心。




「……安心なんかじゃない!」



1階の自販機などがあるホールにやってきて、ひとりでつっこむ。


自販機に背中をつけて、手のひらを頬に当てた。




「あっつ……」



……日向くんのせいだよ。


すごく、顔が近くて、いつもの無表情なんかじゃなくて。