カバンから財布を出しながら、頭を必死にひねる。 他に、なにかしたっけ……!? 「ふっ、慌てすぎ」 「えっ……?」 日向くんが笑ってる。 男の子にしては大きめの瞳を細めて、すごくきれいに笑う。 ……ダメだ。 やっぱりドキドキしてしまう。 あたしの心臓静まれ!!! 「別に、お金払えってことじゃねーから」 「は、はあ……」 「ただ、敬語で話してほしくねーだけ」 敬語で話してほしくない? な、なんで……。 落ち着きを取り戻したあたしは、再びソファーに座る。