「え、えっと、じゃあ……ココアお願いします」 「ん、了解」 戸惑いながらも希望を伝えると、日向くんは小さく頷いた。 日向くんはココアをふたつ買ったあと、あたしのところへ戻ってきた。 「ありがとうございます……」 恐る恐るといった感じで受け取るあたし。 日向くん、甘い飲み物なんて飲むんだ……。 ちょっと意外だな。 「市原さん、なんで敬語?」 「へっ!?」 空いていたソファーに座って缶のプルタブを開けていたら、隣から日向くんの不思議そうな声が聞こえてきた。