【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



「…すまん。何でもない」


「……」



そう言った会長は、もう私に目もくれずさっさと歩いて行ってしまった。


今だ放心状態の私の身体はまだ、その場に留まっていた。




それにしても驚いた…


急に私の前髪を上げてくるんだもん---




『何でもない…』と、会長は言っていたけれど多分、私の瞳の色を確認する為に前髪を上げたのだろう。




『紅』を探すため…、だよね。