「だから気にしてないってば」


申し訳なさそうに眉を下げる蓮に、私はクスクスと笑ってしまった。


そんな私を見て、蓮はホッとしたように顔を緩める。



本当に蓮は優しい…。


私の誕生日である今日くらいは一緒にゆっくりしようと前々から言ってくれて、忙しい合い間を縫ってそれを実行してくれたのだから。



そうやってあらかじめ予定を立てておかないと中々蓮の身体が空かないくらい、鬼のように毎日が忙しいのだ。



私は蓮程ではないけど、それなりに忙しく動き回っている。


平日は良牙と一緒に生徒会補佐を頑張り、休日は良牙と一緒に父さんと母さんが住む隆之さんの家に帰ってる。



あれ?


私、蓮といるより良牙と一緒にいる方が多いなぁ。



ま、いいや。


双子だからなのかな?


良牙と一緒にいると気持ちが落ち着いて、離れるのがありえないと思ってしまうのだからしょうがない。



私の日常はこんな感じなので、蓮とこうして二人っきりと言うのは本当に久しぶりなのだ。