父さんの車で一端、母さんを病院に連れて行き、それから学園まで送ってもらった。


学園に着いた頃には夜の闇が広がっており、夜空には星がたくさん瞬いている。



ようやく一段落した私達はさぞ楽しそうに学園に向かっているのかと思うだろうが、車から下りた私はすこぶる機嫌が悪かった。


父さんに別れを告げ門を潜る。



私の両隣にいる男達二人は、機嫌の悪い私をチラチラと伺い見ながら歩いていた。



「まだくだらねぇ事で怒ってんのか?たかが自分だけジャージ姿だからってさ」


「たかがじゃないッ!二人は服を着ているからいいけど。なんで私一人、学園のジャージなんか着てるのよ。だいたい自分達だけ服に着替えてから来るなんてずるいッ!」


「今更…」



呆れたようにそう言う良牙を睨みつけると、バカバカしいとでも言いたげに視線を逸らされた。