「ホール内で恢がお前を連れて行こうといた事、覚えているか?」 「………」 「あいつはきっと、脱出方法を知っていたから綾香と一緒に行こうと思ったんだ。そうでなければ、死ぬと分かっていて綾香を連れ出そうとするはずがない」 そう…なのかな? そうかもしれないけど、 でも--- 「綾香、桐生さんはそんなヘマをするような人ではない。俺も大丈夫だと思う」 いつの間にここに来たのか、私達の横に立つ良牙が安心させるように私の頭を撫でた。 「それに…、微かだが煙に混じって桐生さんの匂いがするんだ」