「行くなッ!」 いつの間にここまで来たのか、蓮にガバッと抱きつかれてしまった。 身動きが出来なくなり身を捩るが、それでも身体をガッシリと蓮によって固定されていては恢のところまで行けない。 「蓮…、離してッ」 「今ここで離したら、お前は恢のもとへ行く気だろ?」 その言葉に私の身体が固まった。 「なん…で」 「俺は感がいいんだ。…綾香は恢が好きなのか?」 「………」 好きとかではなく、ただ一人にしたくないだけ---