私の喉が…、
ゴクリと鳴った。
近づくたびに押し留めていた私の胸の鼓動が先程のように…、
ううん…、
それ以上に、痛いほどの高鳴りを見せているのだ。
なんでこの男を見るだけで、こんな感情になるのか分からない。
分からないけど…、
お願い…、
これ以上、私に近寄らないで---
しかしその願いも虚しく、金髪男はユックリと私の近くまで歩み寄ると立ち止まった。
近くとはいっても目の前…、ではない。
それよりは距離がある。
「赤い…眼………。やはり紅か……」
「………」
そんなに近いという程ではないのに、まるで自分の目の前に私がいるかのように私の目を覗き込むようにジッと見つめる。
そして金髪男はさも楽しげに、ゆっくりと口角を上げていった。



