そう…、 あのピアスと同じ物がこの巨大熊の耳にもついているのだ。 目の前にいる、この緑色の瞳をした巨大熊は--- 「…章平」 「章平?」 ポツリと呟く俺の声を拾った蓮が、驚きに目を見開きながら頭上を見上げた。 蓮は章平とはそれ程、密な付き合いではなかったがそれでも俺達はこの研究所内でたまに会う見知った仲ではあった。 『さぁ、どうする?…コイツを殺すか?それとも生かすか?』 楽しそうにクックッと笑う声が耳障りだ。 本当にいけ好かないヤツだと、蓮の父親だがそう思う。