【良牙SIDE】
「ま、まさか…」
『気がついたか、九門良牙』
目の前では先程まで噛まれていた巨大熊が今度は形勢逆転とばかりに、白蛇の身体にガブリと噛み付いている。
いや、形成逆転とまではいかないか。
だってお互いがお互いをかみ合っているんだから---
俺は先程まで、この巨大な熊へ攻撃を繰り返していた。
闘いながら俺の視線はある一点で釘付けになり、身体が固まってしまったのだ。
見覚えのある物を目にしたから---
熊の耳元には巨大な図体をしている割には、小さなピアスが一つ付けられていた。
緑色の石のピアスを---



