【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



「待て、綾香ッ!」


「なっ?!」



後、少しで化け物を切りつける事が出来る……と言う寸前で良牙に止められる。


何も切る事が出来ずに、私は地面へと着地した。



いきなり止められた私は文句を言ってやろうと、視線を良牙へと向けた。


そこには、顔が蒼白となっている良牙が佇んでいる。



私は何も言えずに、そんな良牙を黙って見ていた。