【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



「母さんを助けたいの」


「綾香ッ!」



怒鳴る蓮の声が聞こえる。



でもごめん。


これ以上傷つく母さんを見ていたくないから、だから私はどうなったっていい。




『よかろう。ではこの巨大熊が出てきた扉の前に行きなさい』



そう言われてその扉に向かって走っていく。


扉の前に、切れ味の凄そうな日本刀が転がっていた。




「これ?」


『この刀はどんな物でも切れる。例えダイアモンドであってもな』




カタッ---


手に取ると以外にもズシリと重い。