【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



そんな母さんを見て目眩がした。


これでは寿命云々の前に、母さんが死んでしまう。



震える身体を何とか叱咤して、白蛇を救出しようとしている蓮と良牙と恢のもとへと急いだ。




『助けてあげましょうか?』



部屋全体に響く声に私の身体が止まった。




『綾香さん。さっきの話しですが、どうしますか』



さっきの話し?


それは勿論、私に変身人間になる為の投与をするかどうかの事だろう。




「お受けします。だから助けて」


「綾香、ダメだッ!」



闘いながらも聞いていたのか、蓮の止める声が聞こえた。