【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~



「………オニ」


「何か言ったか?」



ボソリと呟いた私の言葉に、先生は首を傾ける。


どうやら先生の耳には届かなかったようだ。




ホッと心の中で息をついてから、頭をフルフル振った。




「…イイエ。………キョウジュウニヤラセテイタダキマス」


「………」



ん?


何かを言いたそうにジッと見てくる先生に、私の瞳がパチパチと瞬く。


しかし開きかけた口をすぐに噤んだ佐伯先生は、私に背を向け教壇に向かって歩き出してしまった。




私に言いたい事でもあったのかな?




…まぁいっか。


どうせに大した話しではないのだろうし。




それより---