「私を助け出すため?」
「そうだな。…行くぞ」
恢が扉の方へと移動する。
父さん達は、これからどうするの?
二人に視線を向けると、母さんを抱きかかえている父さんがそこにいた。
母さんの腕が父さんに背にまわると一瞬だけ、父さんが母さんの頬にキスをする。
微笑ましいその光景に見とれてしまった。
二人は本当に羨ましいほど、仲がいいんだね。
そう思っていたところで、恢がピタリと立ち止まりこちらを見ているのに気づいた。
急いで恢の方へと向かう。
「…ここを出たら戦闘だ」
恢の前に辿り着くと、物騒な事を言われたこものだから身体が固まってしまった。



