「皆で一緒に暮らせたらいいな」
ニッと笑う父さんに私も笑顔を返す。
この人が私の父さんなんだなと思いながら---
「ねぇ、母さんの寿命は短いって言ってたけど後、どのくらい…生きられるの?」
その言葉に答えてくれたのは恢だった。
「第ニ段階を最初にクリアしたのがさゆりさんなんだ。だからまだ獣になった者の死んだ事例がないからなんとも言えないが…。さゆりさんは今後、変身をしなければ二年ほどだとポスが言っていた」
二年…、
そんなに短いの?
言われてもう一度、母さんを見た。
青白い顔にホッソリとした身体…、今にも倒れてしまいそう。
あきらかに健康的とは言えない母さんがそこにいた。



